ベルギーの空港でテロがあってからしばらくたちますが、
そのずっと前から、一見愛らしいベルギーも、裏道は所謂スラムでした。
学校に行くとき、昨日綺麗だった壁に今朝は鉄砲の跡がある、ということがよくありました。
当時私は、グリムバーゲンという美しい郊外に住んでいたのですが、
ブリュッセルにバスやトラムで出る時、必ずボクスタールという下町で乗り換える必要がありました。
様々な人種、宗教が入り混じり、それぞれの信仰、文化で香水や石鹸が違ってきましたから、トラムの中は本当に色々な香りがむせかえっていました。
お金に苦労してる人が多く、トラムのタダ乗りが横行して、私服警備とガンガンやりあってたりするのですが、
もう最後のほうは普通に思えて、横の席で宿題を片付けたりしていました。。
今、だんだん変わってきていますが、
数年前までベルギーは不法移民の取り締まりにかなり甘く、
当時のボクスタールにはその手の住人が多かったのです。
電車はこれまたひどく、
一度うかつに窓際に座ったら、残りの3席、明らかに異様な雰囲気のおじさんに囲まれ、死ぬんだなあ、と思ったことも…。
あれ以来海外の電車ではいつもドア近くの通路側です。
グリムバーゲンの静かな落ち着いた街並み、スラム、そして都心へと、
毎日その流れを見つめて、
いやー…地域性ってなんだろう、と感慨深い日々でした。
ヨーロッパの治安不安定感は、
あの毎日で学んだように思い出します。
もちろん、ベルギーは、観光地に関してはとても品があり、華美ではなく、
食べ物も美味しく、素敵な国です。
とりわけチョコ、ビール。
この2つに関してはやっぱり世界一です。
スーパーのチョコでさえ強烈な美味しさで、もう他の国のものは全てまやかしにさえ感じます。
ビールはまた、圧倒的な種類で、
毎日毎日、違うビールを飲んで、どれも美味で、安くて、飽きません。
水や麦の味わいが他国とは違うのです。
住んでいたグリムバーゲンは、その名前の通りのビールがあるのですが、
ビターでいて飲みやすく、日本でよく見るDuvelよりオススメです。
野菜はチコリが名産です。
苦いですが、慣れたらあんなにお酒にあう、美味しい葉野菜はありません。
ジューシーなハムやクリームスープと絡めると絶品。
他にもムール貝など、"ベルギーの美味" を挙げだしたらきりがありません。
ベルギーに長くいて、これだけは受け付けないなーっと思った食べ物はただ一度。
あれは楽器博物館だったでしょうか…おはぎなるもので、小豆の質を知る日本人としてはかなりコメントに困る内容でした…。
まあ、いずれにせよ、ヨーロッパの治安。
これはベルギーに限らず、言えることですが、治安は場所によっては
はっきり言ってとても悪いです。
全然安全ではありません。
私としては中国のほうがよっぽどマシに感じます。
なんか変だな、
と少しでも感じ取る道には、うかつに入らないほうがベターです。
案外その直感は当たっているものです。
ついつい、旅慣れると裏道の街歩きをしたくなりますが、
そういう場合は、あまり奥まで行きすぎず、引き返す道をはっきり覚えておきましょう。