朝5時に着いた上海は冷たい雨。
1日雨との予報で、それが結構大粒だったので、中心に着いてすぐコンビニで傘を買った。
豫園(よえん)にある小籠包の名店も、
早朝に加え雨となると人は少なく、
ゆったりと席を取れて、
食べるとすっかり飛行機の疲れは取れた。
雨の上海はあまり残念がることはない。
地下の商店街はローカルの買い物に混れて愉快だし、
博物館に行けば気持ちが穏やかになる。
上海の博物館は、水墨画はもちろん、
ファッションや器の展示も充実しており、充実した数時間を過ごすことができる。
博物館で色々見ていると、
色の感覚の豊かさや、多様なファッション性に驚いたりする。
中国は民族の集合体なので、
歴史や地方によって個性がある。
器なんかはいまでも使えそうな色使いと機能性で、骨董に興味のない人も、
どうやって使うか、という感覚で見ればきっと面白い。
当然、水墨画のコレクションは豊富である。
電気のテクノロジーが充実しており、
誰も鑑賞していないと薄暗く、近づくと点灯して絵画を照らす。
いきなりパチっと点くのではなく、
フワっとゆるいスピードで灯される。
作品を保護すると同時に、その点灯するまでの優しい数秒ほどは、鑑賞者を絵の世界に優しく誘う効果があり、
心地がよい。
この日訪れたときは、
地元の小学校が模写の授業をしていた。
みんな特段上手ではなく、普通の小学校の授業である。
成長した中国の、"良き現代"を思わせ、
子どもたちの笑顔はなんとも微笑ましかった。
雨の中国は寂しがることはない。
思った場所に行ったならば、
人口はそもそも多い中国である、
そこには歴史やローカルの暖かい息吹が、
旅人を待っているのである。