2016年12月27日火曜日

三つ星で大満足な世界のブティックホテル事情




ここ何年か、昔ながらのバブリーでゴージャスなホテルではなく、
親近感のあるコジーなカジュアルブティック系が、世界のホテルのトレンドのようです。


NYで数年前に、エースホテルがこの路線で大成功し、一躍アメリカンドリームを成し遂げてから、この台頭は世界中に広がっています。

エースホテルは別格の価格に成長してしまいましたが、
後進のこれらは三つ星から四つ星クラスの価格設定なことが多いです。
客層も若々しく、
ダイニングで気さくな旅友達に出会うこともあるでしょう。

アジアは特に中華系企業がこの分野に熱心で、先日宿泊したマレーシアのホテルも、チャイニーズ系マレーシアンが経営していると、プールのボーイが教えてくれました。

経済発展力があるアジア諸国では、
不動産投資に積極的で、どんどんこのオシャレ系ホテルが出てきています。

同じ価格帯では、日本はステレオタイプのビジネスホテルばかりなので、
頑張って欲しいものです。

まだ設備が新しく綺麗なこともあって、たいがい満足度が高いです。
あまり旅費はかけたくないけど、
それなりに綺麗なホテルで眠りたい、と言う方は、ぜひ一度お試し下さい。

尚、戦略としてコストを抑えて利益を上げる傾向があるので、
ミニバーは基本なく冷蔵庫はビジネスホテル同様空っぽ、アメニティは必要最低限です。
日本のビジネスホテル同様その辺のコンビニで調達を。

    水はあります。

また、乱立するあまりこうしたホテルには"窓無し"物件がよくあります。
光を一切遮断しないと眠れない人には、窓無し物件は室料がさらに控えめでお得ですが、
時の流れを感じ光合成しながら眠りたい人には、体調を悪くすることさえあるので、窓については予約前にぜひとも確認されてくださいませ







2016年12月24日土曜日

クリスマスのマレーシア、って正解

お猿がゆき、鳥がいて、
そんでもってどこからともなくコーランのお経が風にただよう…
そんなはちゃめちゃかつ、メローなクリスマスでした。
 

マレーシアは、おしとやかで穏やかな一方、野趣あふれまくるのであります。

緑がざわめき、雨がときどき降り。
人はそれぞれに信仰があり、クリスマス。
とても平和で穏やかな3連休でした。


日本でのクリスマスも楽しいのですが、時々なんとなく孤独でくだらない気持ちに襲われるのは私だけでしょうか…。寒い、というのもなんだかいかん。なんでだか人は南方のほうがオープンマインドで、不思議です。

人生何十回もクリスマスが来ますから、たまにはこういう夏!カオス!なホリデーもいいものです。


無駄に洋風で、日曜のクアラルンプールは気の利いたお店はあんまり開いていません。そもそも少ないお酒を飲めるところは特におやすみ。
ビール好きが帰国するにはいい日です。

来週の年越しは私的にワンダーランドの成都です。
不思議な勘違いで都市化に突き進む成都。そのカウントダウンや元旦はどんななのか、、探検はつづく






2016年12月22日木曜日

クリスマスのフライト

これからマレーシアに飛びます。

羽田空港の国際線はいつも空いていて、採算取れているのかな、とこっちが心配になりますが、さすがにクリスマスの週末はいつもよりは少し多いです。

しかし、成田よりはやっぱりマシなので、あんまり心配して早く到着する必要はないように個人的には思います。

まあ、とにかく皆さん、暮れで仕事から解放される時期なので、顔つきがなんだか穏やかですね。
お互いお疲れ様でした。

マレーシアは久しぶりの円高傾向で、
最近また日本人からの人気が戻ってきています。

この時期は飛行機がものすごく高いんじゃないの?
と思う方もきっといると思いますが、
なんというか、早めにチケットを取るのはもちろんマストなのですが、
"皆が忙しい時期" にチケットのサイトをのぞいてみると、そうでもありません。
投資と同じで気配がないときが安めです。

暑い国のクリスマス。
プールで昼寝をしたいだけで、
あとはあまり何かすごい観光をしたい気がわきません。

こういう寒い時期に、
あさっての季節の中でゴロゴロできるなんて、
それだけで満足だなあ、と。

今年は激動ではなかったけれど、
なんだか色々周りに押されることが多くて疲れました。

海外にいると、
そういううるさい声から遮断され、
心落ち着くので、
やっぱりフライトライフはやめられません。

クリスマスですもん、
自分にご褒美で、フワフワと過ごしちゃいます。

皆さんも心休まる週末になりますように。
メリークリスマス












フィレンツェで豪奢なお茶時間

老舗のカフェと言えば、
フィレンツェのGirri も大変有名です。


ここはフィレンツェの中でも立地がかなり良く、名所を歩くついでに見つけてしまえるでしょう。
コーヒーもいい味!

イタリアのカフェは立ち飲みがお決まりのスタイルですが、
ここ、Girri においては、着席して、そのクラシカルなインテリアを堪能すると、良い記念になるかもしれません。

豪華に垂れ下がるシャンデリアや、
華奢でデコラティブな机、椅子…
映画のワンシーンのような気分です。

このお店では昔ながらのティラミスが本当に美味しい。
コーヒーとティラミスだけで素晴らしい朝ごはんです。
クリームたっぷりのカフェコンパナも最高です。

Girriは正直、先日紹介したcovaより少し気取った店です。
歴史が100年ほど古いのです。

着席は立ち飲みの料金よりずっと高いことを知らない観光客も多いので、
まずカメリエーレに、
着席は高いですよ? とツンとした態度で聞かれます。

"そうね。けど今日は座りたい気分よ"と堂々と振る舞えば、
あとはしっかりお世話をしてくれます。

余談ですがフィレンツェに新しくできたグッチカフェのカメリエーレ…激爆的にイケメンですね…
美!



2016年12月20日火曜日

ミラノのCOVAで毎朝をキメる


以前どこかで書いたように、
イタリアは家族的な文化で、仲良くなれば良くしてくれるところです。

ミラノにはCOVAという有名な老舗カフェがありますが、ここも常連を大変大事にする店です。

ミラノに行くといつもこの近くの決まったアパルトマンに泊まるので、毎日ここで朝のコーヒーを飲みます。

味自体は、他にもっと美味しい店がもしかしたらあるでしょうが、
なんせ気持ちがパリっとするので好きです。

何回か通うと覚えてくれて、あらあんた、おはよー、みたいな会話をしながら、
ちゃんと好みを知っているので、ちゃかちゃかと準備してくれます。
決して砕けすぎないですが、心を開けてくれます。

席もいいですが、ここの楽しみ方は立ち飲みです。
朝のボサボサ頭や、観光客丸出しのファッションではなく、モンテナポレオーネにふさわしいエレガントないでたちで行きましょう。

ミラノではおしゃれしないほうが浮いてしまいます。 
私論ですが、その街に似合うファッションをすれば溶け込んで危険も減るように思います。

COVAのカウンターには朝からスーパーファッショニスタが次々にやってきて、立ち飲みでダーっと話して去っていきます。
その様子を見ているとこちらもシュッとして、綺麗になる気がします。

イタリアの中でもこのエリアの人々の洗練された雰囲気は群をぬいています。
男性も朝からピシッと決めています。
ビシっ ではなく、ピシッ です。
洒落ています。

どんなスーツやシャツが似合っているか、自分の今の気分で着こなせるか分かっていて、服に着られていません。

シニアの女性も背を伸ばしてハイヒールでカツカツと、通っていきます。

さて、高いのでしょうか?

そんなでもないです。
どんな老舗の名店でも、
立ち飲みのカフェはそんなに高くありません。200-300円くらいでしょうか。煽るところで400円くらいです。

毎日かよっても痛くないように配慮されていて、だから何百年と愛され続けます。

日本では朝から食べる気持ちにあまりならないのですが、イタリアではクリーム入りのクロワッサンがとても好き!

COVAはお菓子も美しく、
包装もそれはそれは丈夫で華やかなので、
大事な人へのお土産にもぴったりです。


おはよう、とさよならは、
ハキハキと大きな声で言いましょう。

それからちょっと片手をあげて、
どっしりと振る舞うと、
カメリエーレは決して粗野な対応はしません。

私、あなた、カフェ。

そういう流儀が、イタリアにはあります。








無欲の台湾に愛をこめて


今年は台湾に5度飛びました。
何度出向いても好きな場所です。

私は香港はあまり好きではありません。
私にはとても忙しく熱血すぎるのです。

台湾は、ひとことで言うなら、
"ゆるバブ"  
です。

ゆるゆると無欲で、
なおかつゆるやかなバブルで成長しています。

冒頭の写真なんですが、
週末のとても人通りの多い市場なのですよ。

東京や香港なら、それ稼ぎどきだと、
声をからしてセールスしているだろうところ、
タイワニ〜ズはこうして新聞を読んだり、昼寝したり、

台湾の美徳は 無欲  に尽きると思います。

それが私をホッとさせるのだと思います。


台湾で教師の仕事をしながら中国語を勉強しているアメリカ人の友人がいるのですが、
台湾の子供はアメリカのような激しい自己主張がなく、喧嘩もずっと穏やかなのだそうです。
そう、台湾の子供の笑顔は本当に綺麗です。

大人もなんだか、
控えめですが、いつも穏やかでフレンドリーです。

昼間から道に出した椅子で居眠りしていたり、そこにバイクで通りかかったご近所さんがなにか話かけたり、
ゆるやかな幸せが台湾には流れています。

しかし台湾はまぎれもなく成長中で、
最先端のビルなどは日本よりずっと画期的な設計をされていたりします。

若者の集まる場所は平日でもすごい人通りです。

平和でありながら、多くのチャンスにあふれています。

好きな国は選びきれないくらいたくさんあるけど、アジアでどこかに定住するなら、
私は台湾がいいなあ、とおもいます。







2016年12月19日月曜日

バンコクのローカル市場の治安はどうなのか


バンコクは都心から少し離れると非常にローカルな荒々しい雰囲気になります。

市場も地元ととけこんだ活気にあふれ、そういうところには殆ど観光客はいません。

日本から数時間飛んだだけで、
文化はかくも違うんだなあ、とぶらぶら散歩しながら思います。


しかし見た感じはワイルドでも、
治安の悪さを感じたことは、お釣りを騙されたりしたことは、
私の場合ありません。
また、悪いことをしよう、とつけねらう人もいません。
綺麗ではない、というだけです。

経験則ですが、危険なのはむしろ都市部のほうで、
郊外のローカルは無垢というか、皆いる場所にいる限り純朴です。

都心のタクシーやトゥクトゥクは、騙し騙され殆ど普通なんで、喧嘩する気がないときは適当に払っておきますが、
それがまあ、バンコクです。
あまり頑張って喧嘩しても嫌な思いをするだけです。

外国人があまり来ない普通の市場は、
ただ普通の営業をしています



新鮮な野菜や果物がどっさり盛られたタイの市場は、地元の人がワイワイ買い物をしていて、活気にあふれています。

英語も通じませんから、雰囲気でコミュニケーションをします。
お互い言葉はわからなくても、
笑いどころはだいたい一緒で、
それを共有できる瞬間が幸せです。

こうした下町は、安全と危険の差がとても大きいのだと思います。
ともかく、興味本位で静かな道に入ることはせず、活気ある路地を行くにつきます。

優雅なヨーロッパも好きですが、
野性味あふれるアジアも好きです。
どちらも犯罪はあります。
そしてどちらも自分の気配を現地に溶け込ませることがコツです。


2016年12月15日木曜日

ミラノ男と銀座の虹


夏にミラノから来たアレッサンドロのガイドをしたことをふっと思い出しました。
数学と芸術がミックスされた美しい脳の持ち主でした。

アレッサンドロは、もはやその頭脳で食べています。
こういう、所謂天才は、会社に入って生きていくのはむしろ難しいかもしれません。

日本に滞在中にも難しい数式の問い合わせが来て、
彼にはそれがゲームのように面白いものですから、
銀座に一緒に行ったときも、歩きスマホをしながらうんうんその数式を解いていました。

そうしてピタっと止まって、
虹だー
と言うのです。

自転車のライトに当たった日光が反射して、地面に虹色の光を作っていたのです。

手にとると消えたりゆらめいたりして、
アレッサンドロはその光の動きが愉快で、
人が行き交う銀座でずっとしゃがんでいました。

ゲストにはそれぞれに個性があります。私のような個人活動のガイドに流れつく人は、かなりの旅オタクか変わった人物が多いですが、アレッサンドロはその代表格です。

外国人との交流というより、
その奇特な人間性から、私自身が得るものが大きいです。

この数ヶ月後にミラノでアレッサンドロと再会したときも、
彼は難しい数学の言葉をつかって、何かの電話会議をしていましたが、チラっと立ち寄った部屋は自らが描いた作品や、前衛芸術であふれていました。

芸術的嗜好も高く、あれから後もアレッサンドロは世界中に出て、
数学と芸術についてのレポートをしています。

全く愉快な人と知り合えたと、感謝しています。

今年はよく海外に出ましたが、
迎え入れた回数も多く、
またそれだけ、またとない友人との出会いを世界で広げることができました。
昨年の終わりよりも、私自身もずっと柔軟な人間になれた気がします。









2016年12月14日水曜日

アジアの朝バイキングの攻め方



アジアのホテルで朝ごはんを食べるときの、私の定番です…。

生玉子いりラーメンやおかゆ…。
余熱で後半はいい感じに白んで、とろとろで美味です。


スクランブルエッグか目玉焼きにしますか?と聞いて、目の前で調理してくれる玉子おじさんが、朝食会場によくいると思うんですが、
"なにもしてないそこの生玉子をください" と言ってもらいます。

不思議な顔をするので、
こーやるんだー、とぶっかけると、
"あー!それ激ウマだよねー!"らしきことを言って笑ってくれます。

朝からベーコンや揚げ物を食べる気には到底ならず、
私のモーニングはかくもどんぶり鉢なスタイルになるのです。


2016年12月13日火曜日

年に1ヶ月以上海外旅行をできるまで

ライフワークバランスが警鐘されるようになってなお、
日本の連続した休みの取りづらさは変わりがありません。

欧州のように1か月、あとクリスマスに数週間…とかやっていると、仕事も人間関係もまとまらなくなる、そんな社会です。

しかし、旅行目的では、私は今年合計27日、海外に滞在しました。
これからクリスマス、お正月にまた飛びますので、1か月以上は日本じゃないどこかで遊んでいた、という結果が見込まれます。

実は、昔は非常に休みベタで、
忙しくしてたらなんとなく夏休みが来て、国内の適当なところで無駄に時間を過ごす、というタイプだったのです。

私が変えたのは、まずは計画性です。
仕事に飲まれないように、数ヶ月先の旅行プランを練るようになりました。

また、長期間旅をする、というやり方はあっさりあきらめ、短日だけど、長時間現地に滞在できるフライトを選ぶようになりました。

そして仕事の節々で、今度の休みとってどこそこ行くんだー、海外が大好きなんだー、と会話に出して、"たまにいなくなっちゃう人"を皆のイメージに定着させるように働きかけました。

この、ふれこみ活動は結構大きいと思います。
皆、働く仲間を印象で選別していますから、そういう人だと認識されると、
休みも取りやすくなるのです。
ずっと働きずめの人には、休まない人、ということでそれなりのボリューム的な期待もかかってきますから…。

年末にかけての旅はもうプランが出来上がってますから、あとは飛ぶだけです。
成都のカウントダウンってどんななんだろ!

もう私は先の計画に移っているのですが、やっぱりミャンマーとラオスは押さえておきたいなあ。









2016年12月12日月曜日

フライトと需要

この間上海の普通の運賃を調べたら、
JALとかANAとかだとあんな近いのに割と高いんですね…。
六万くらい?だったかしら。。

今日、日経をボーっと見てたら、上海の平均給与は10万なにがしらしいので、
日本のエアラインは彼らからしたら余計に高級であります。
貧富の差がありすぎて10万はあまり信ぴょう性ありませんが、まあ一般市民はつつましやかですね。

六万なら中国だと成都やら、南ならハノイやらタイやら行けるのになあ、と、しげしげ眺めていました。
やっぱりアジアの主要なビジネス都心ですからね、需要があると高めです。

私はプライベートの上海はいつもマイレージを使ってしまうので、今更相場を知ったのです。あまり貯めこまず近場にワーっと使ってしまいます。
上海便は需要はもとより供給も過多気味なので、近い日程でもよく座席が空いてます。

さてフライトの相場は、需要や経済状況で変わりますが、
上海はともかく、ダナンの値上がりには驚きました。

2年前、ダナン便が就航した2日後にベトナム航空に乗ったのですが、
その頃はまだ、え?ダナン?なんなのそれ、という知名度で、
五つ星のホテル込みで八万だかそこらだったように思います。

今年の頭もフライトは五万くらいでしたでしょうか。
安かったんですよ、三連休に重なった便でも。

それが今やおおよそ倍。すごい勢いでダナンの人気は広まり、休みを取りやすい時期はさらにお高い!
色々なサイトでダナン特集を組んでいて、もはや人気リゾートの筆頭になってしまいました。

だけれどそうなると旅好きにはあまり面白くなくなって、あの時行っておいて良かったなあ、と思います。
せっかく旅に出て日本人だらけだとやっぱりなんだか旅情が欠けます。

今、アジアの次なるホットスポットはミャンマーとラオスのようですね。
世界中のバックパッカーが私の家にホームステイしますが、日本はあくまで中継地であり、タイでまずハメをはずし、そしてミャンマー、ラオスへと、彼らはゆっくり移動していきます。

ミャンマーはいいとしてラオスは導線がまだまだで、どこかでダラダラ中継しないと行きづらいですね。短時間で行けてもかなり高いか。行ってしまえば物価は安いに違いないですが、フライトは人気があり、高額です。

地理的には近いですが、
なるほどどこか中継地点でしばらく遊んで待ってないと、
あまりまともなフライトがありません。

日本のように飛び石でしか休みを取れない文化では、
余裕がなかなかありません。

しかし行きにくい場所は神秘が守られますから、それはそれで良いことです。いざ行けばめくるめく国に違いありません。

私もラオス、ミャンマーはまだ未経験です。 
ミャンマーはどうも工夫すればこの冬に行けそうな便があるので、
計画をたてることにします。
3泊4日でまとまるように思います。

ずっと鎖国状態だったところですから、
驚きの連続に違いありません!

いまサラっと見たところ、
まだまだリゾート系のホテルも少なく、
なかなかサバイバルパッションの燃えるところです!










2016年12月9日金曜日

雪と勇気とウィーン


初めて1人だけで歩いた国は、
オーストリア。
真冬のウィーンでした。

もう何年も前のことですが、今でもあの時の旅は、私のフライト人生の中で筆頭に入るものです。

クリムトを見たいなあ、と小さい頃から憧れていた国で、ベルギーにしばらく住んでいたとき、せっかく近いのでフライトを取りました。

海外の鉄道のオンボロさには、あの時期に慣れたんだと思います。

ヨーロッパの鉄道は国々の美しさとは裏腹に、頑丈ですが恐ろしく旧式で、あまり掃除もされていません。

飛行場からそんな鉄道で市内に着いた夜、
ウィーンは信じられないほどの猛吹雪で、目の前1メートル先が見えるのがようやくでした。

ここまで降ると、美しいなんて言ってられません。

夜、前方不明、初めて来た、の三拍子で、おまけにホテルはそんなに有名なところではなくて、地図も最近のgoogleマップほど詳しくなく、
本当に途方にくれました。

数メートル歩いたけれど、これは遭難して死ぬかも、と思う程、雪の勢いはどんどん強くなりました。

それで、ともかく目の前にあったカフェに逃げ込みました。
雪まみれでストールをマチ子巻きにした変ないでたちのアジア人女子、ということで、
店員さんも数人いたお客もジロジロ私を見ていました。

それでも、"はー寒かった!ビールちょうだい"と、平然とオーダーしていた私は、我ながら男前だなあ、と思います。

もうすっかり、きっぱり忘れてしまったのですが、
ベルギーにいたとき、多分私は少しオランダ語を話してたと思います。
ドイツ語もなんとなく似ていて、ちょっと話していたように思います。

不思議なもんで、生きないといけない、という状況では、人ってすごいスピードで言葉を覚えますし、なんとか話します。

とにかくまあ、今日はひどい雪だね〜〜なんて、店員さんと簡単に話していたら、最初はうさんくさそうに私を見ていた、その素晴らしく美しい金髪美女スタッフは、
ずいぶんフレンドリーになってくれました。

それで去り際に、ホテルの方角を聞いたら、
なんと彼女は薄いシャツ一枚のカフェ姿で、マイナス10度はあろうかという路地に一緒に出てきて、
かなり丁寧に位置を教えてくれました。

私は強烈に地図に弱い女です。
それでよくまあ今まで色んな国でやってきたもんだと思いますが、

兎に角、もし彼女に聞かなければ、
そのときも全く真逆の方向に歩くつもりでいました。

それで当然ホテルは見つからず、本当に、ウィーンの道端でバッタリ倒れて、
翌朝冷たい姿で発見されていたと思います。

冒頭の写真は、無事にホテルについて、生きていた自分に乾杯したときのビールです。
しょうもない写真ですが
そんな事件があったもので、
よく覚えてます。

そして彼女のおかげで、ウィーン旅行の始まりから、すっかりウィーンの印象が良かったように思います。



翌朝から雪はすっかり止んで、穏やかな毎日でした。
というか私が駅についた数時間だけのゲリラ豪雪だったようで、言うほど積もっていなかったのです。

あのカフェからホテルは、実はとても単純な道順だったことが分かり、
いやあ、こわかったなあ、と、独り言いいながら平和に過ごすのでした。

色々な国に行きますが、
思いおこせば、そういえば、毎回なにかしらトラブルは起こしています、私。

パリ足カク事件といい、成都の銀行でクレジットカード飲まれる事件といい、ハワイ食中毒事件といい…さらに振り返ればミラノで物乞いしたこともあります。それはまた別の機会に。。

小さいハプニングは個人手配の旅につきものです。
しかし必ず誰かに助けられ、
一見楽しみが台無しになってしまうような出来事も、結局素晴らしい思い出になっていったように思います。

人に感謝です。














2016年12月7日水曜日

空中で編む



LCCは人気のある時間を避ければこんな状態で座れてしまうこともあって、
そうなるとお値段以上である。

だいたいが、私はチビな女なので、あまり座席の狭さが気にならない。

モニターがないことがネガティヴ面での特徴で、
5時間を超えるLCCは、座席はどうあれ、深夜の寝てしまえる時間じゃないとつまらない。暇だ。
かといってスドクで頭を使うのもなんだか疲れる。旅に出てまで頭を痛めたくない。

で、この間、ハッッと、私の性格に合う暇つぶしを思いついた。

編み物!!!

あの編み物の単純作業はトランスを呼ぶというか、
熱中しだすと数時間は編んでしまうし、小さいものなら往復の飛行機でひとつできてしまうかもしれない。

本当はハワイアンキルトが理想だけど、針やハサミは持ち込めないし。
あれなら少なくとも三時間は、あーっという間に過ぎるのだが…。

こんどのクリスマスにマレーシアに飛ぶ時、ぜひ編み物をやってみたい。

編み物はいい。ベルギーに住んでいたころ、
バスやトラムでなにか編んでいる人をよく見かけた。
一心不乱にやるもんだから、降りるバス停を忘れてしまう方もいたり。語学の宿題の陰からいい時間つぶしだなあ、とぼんやり見ていた。

私は服飾が好きで、
ベルギーに渡航するとき、そういえばわざわざミシンをトランクに詰めこんだ。
規制重量の殆どをミシンが〆ていて、
持っていく服は本当にわずかだった。

けれど布と糸の裁縫は、ベルギーでは殆ど流行っていなくて、
編み物が人気だったのだ。

もちろん、日本よりずっと寒いから毛糸が好まれることもある。そして編棒と毛糸玉をカバンにギュッと入れておけば、ああやって移動や待ち時間に気軽に作れるんだから編み物は偉い。

あちらは女性も普通に外で働くので、
買えるものは買う、という、
案外現実的な服飾文化があったように、今更思い出す。

兎に角、今日は毛糸を買いに行かなくてはならない!
マレーシアと編み物なんて非常に不釣り合いだけれど、妥当LCCでの暇ストレス、である!








2016年12月6日火曜日

中国で胃は安全なのか論



胃が強いのかもしれないけれど、
中国でお腹を壊したことは一度もない。

中国に行くなら、ある程度の胃への制裁は旅土産、五つ星のホテルでも危険、とか云々かんぬん、昔は聞いていて、ふむふむ多少は仕方ないか、そうなのか、と思っていたが、結局今まで中国でさんざん食べまくって何もなかった。

といっても、それを聞いてたもんだから、私なりに簡単な予防はしているのだ。

生物は果物以外にはあまり食べないし、
それからビール党なもんで、氷入りの飲み物を殆ど飲まない。
だから無事だったのかもしれない。

人間の体は水に対して非常に敏感だ。
菌は水のあるところから爆発的に繁殖する。

カキ氷的なものはなんだか嫌な予感がする。。日本の屋台でもカキ氷はたまに私を裏切る。

そう、多分皆、氷に潜む菌にやられとるのだ。
アジアでお腹を壊した、もう行きたくない、とぼやく友達は、そういえばビールを飲めない、カクテル女子ではないか!

中国の女性はあまり一人で飲み食いしない。
バーンっとレストランに来てドーンっと大瓶を頼む私に、
店員もギョッ!とするのだが、
ビールを頼むのは安全だからだったりもする。

あんなに火を入れた野菜に当たるとは思えない。

だいたい中国はなんだかんだ依然バブルで
昔のような衛生環境よりは進歩している。 

デパートや省立の博物館なんかは、
威信をかけてるのでトイレもそこそこ綺麗。

道も水路も日に日に整えられている。
台湾や香港など、島のほうの裏道やお手洗いは相変わらずひどいけど。。
まあそれがアジアだ。

人生で一度だけすごい食あたりで救急車を呼んだ経験が…私にもあるのだ!
中国やアジアではない。

それはなんと…
ハワイである。

あの時たしか水を頼んだのだけど、ガラスのボトルが洒落てただけで、ミネラルじゃなかったんだとおもう。

やっぱり、水が左右するのだ!

合わない水が体内に回るときのあの苦しさは、殆ど危険なレベルだ。
死ぬかと思った。

アメリカは医療レベルがすごいが治療費も同時に爆裂に高い。
が、あの時たまたま気が向いて、旅行保険に入っていた。

よく効く薬をたくさんもらって、すごいものものしい点滴を受けて、そんでもって帰りもホテルまで送迎してくれた。

点滴の注射はピンクかブルーを選ばせてくれた。
うんうんうなりながら、"うーん、ピンク…"と言って、弱々しく笑っていた。

ハワイ的にもどうせ保険会社からもらえるんだから、あれこれ手厚くオプション的にやってくれたんだろう。
旅行保険はえらい。

翌日はケロっと治ってラーメンを食べていた。

情けな面白い記憶だ。










2016年12月5日月曜日

成都の銀行事件



成都の英語力というのは、
上海に比べたら劇的に未発達で、日本のほうがまだマシかもしれない。

街中の商店だと英語は非常に厳しい。
五つ星のホテルで、数人話すスタッフがいるが、なんせクセが強くかなり根気よく聞く姿勢が必要になる。

でも銀行なんぞ教育水準の高い職員のいるところは、困らない程度の会話はできて、そして結構気さくで面白い。

私はこの間の成都のATMで、
はじめてキャッシュカードが飲まれて返ってこない、というトラブルに遭遇した。

たまにある、とは聞いてたが、"謝謝"とアナウンスが鳴ったきりシーンとなってしまったATMを前に、
さすがに茫然となった。

それで慌ててカウンターのお姉さんに、ワーワー英語で説明したら、
ちゃんと分かってくれたし、
支配人代理、みたいな人も出てきてくれて、これまたお詫び挨拶は日本語で返してくれて、感じが良かった。

その日は土曜日で、月曜日まで鍵の管理責任の関係でATMを解錠できない…と申し訳なさそうに伝えられた。

幸い私はもう一枚別のカードを持っていたので、
"月曜まで誰も使えないんだよね?"
と気をとり直して聞いたら、
そうだ、と詫びる。

"そんじゃ月曜まで持ってて!
 一番安全な金庫だわ!"

と言ったらとても喜んでくれた。
月曜日、約束どおりの時間に銀行に言ったら、なんだかものものしい帳簿と一緒にちゃんと用意してくれていて、カードは無事に返却された。

ちなみに中華なんちゃら、という銀行だったのだけど
どうもそこは中国のカードにしか対応していない…ようなことを言っていた。

英語のガイドも操作も安心して行えるのは、中国銀行に限る…。

しかしまあ、成都は、想定以上にドメスティックで、
たとえば中堅の銀行だと、
日本円を銀行に持っていっても、
なんですかこれ? と、まるで初めて見るような対応さえすることがある。
本当に世間知らずなニュー都市なのだ。


ヒヤヒヤしたくなければ、多少の手数料はうるさいこと言わず、
空港で両替しちゃったほうが、
気が楽かもなあ、と、思う今日このごろ。
 



2016年12月3日土曜日

バンコクのバイタク

バンコクのトゥクトゥクやバイクタクシーに乗ることは、タイのクレイジーな交通文化を感じる面白い機会だ。

特に私はバイクタクシーが気に入っていて、簡単な移動には気軽に使う。


バイクタクシーは基本的に乗客はノーヘル。
万が一事故にあったら旅行保険がおりるのかと言えば、
ノーヘルじゃあ、まあたぶんおりないだろうから、
リスクをおう自信がないなら避けたほうが賢明だけれど。
気軽に目的地に行けるし、トゥクトゥクほど面倒くさい交渉は必要ないし、リスクを受け入れるなら楽な交通手段だ。

ラーマ5世が逝去してから、
国民は大変落ち込んでいるけれど、
それでもバンコクの経済的成長はとまらない。

東京ではタクシーを避ける人が増える一方だが、バンコクでは気軽な交通手段で、そのため中心に行くと渋滞がひどい。



バイクタクシーはその隙間をぐいぐいすり抜けて前進するもんだから、
早いのだ。

日本のような丁寧さなんてなくて、本当に平然と突っ込んで行く。
コツンとした接触なんて事故のうちに入らないかもしれない。

自分で運転するのはいささか勇気がいる街だけれど、
そういえばタイ…というかアジアで交通事故を目撃したことは一度もない。

実はヨーロッパでは5回は目の前で事故が起きる瞬間を見ているのだ。
右折に失敗したり、雪に滑って柱にぶつかったり。
不思議とアジアではそれが無いのだ。

皆、自分も相手も乱暴に運転すると分かっていると、自然とかわしじょうずになるのかもしれない。

でも、アジアの車やバイクも、
ヨーロッパと同様傷や凹みで、全然綺麗ではないから、
どこかでぶつかってはいるんだろうけど。